アベノミクスの入門書 『アベノミクスの真実』本田悦朗・著


ブログ更新に少し時間が空いてしまいました。すいません。

しっかり定期的にアウトプットする機会を持っていかないといけないですね。

さて、今日はアベノミクスについて少し書かせてもらいます。

今日で第二次安倍晋三内閣は今日で574日目を迎えたようです。同一政権で閣僚が誰も変わらずに続いている政権としては戦後最長記録を更新しているようですね。

2001年4月26日から第三次小泉改造内閣までの2006年9月26日まで通算1980日間続いた小泉政権以降、民主党政権も含め毎年のように政権交代、少なくとも閣僚の交代が相次いできたのは記憶にも新しいでしょう。

なぜ第二次安倍内閣がこれまで安定的に続いてこられたのか、それは安倍内閣支える成果があったからでしょう。

今月7月11日に第二次安倍晋三内閣の中枢にいる菅義偉・内閣官房長官が外国特派員協会で講演を行い、安倍政権発足後の成果についてアピールしておりました。講演の全文がBLOGOSに載っています。

「安倍政権は約束したことを必ずやる政権です」〜菅官房長官が海外メディアに向け講演(全文)1/2

是非上のリンクから全文を読んで見て下さい。(この講演については、解釈改憲の是非について昔の自民党の主張と現在のスタンスが異なることを取り上げ批判するのみの記事が多いですが、全文を読んで、その他に何を語っていたのかを知ることも重要かと思います。)

さて、その講演内で、菅義偉・内閣官房長官が語っていた安倍内閣の目標にして成果を上げてきているポイントは①日本経済再生、②東日本大震災からの復興、③安全保障の3つでしたが、最重要課題として日本経済再生が中心として挙げられていました。

経済は国力の源であり、社会保障・財政再建の前提、安全保障・外交交渉を進めるための前提となっていることが最重要課題としている理由です。

その日本経済再生の手段として、第二次安倍政権による一連の経済政策として名付けられた「アベノミクス」が中心にあります。

一本目の矢・金融緩和、そして二本目の矢・財政政策。三本の矢・成長戦略。何度も報じられてきておりますが、果たしてアベノミクスの背景、内容、今後について果たしてみなさん理解できているでしょうか。

少しでもアベノミクスを理解するために、少しでも正確に現在の安倍政権の経済政策を評価するために、アベノミクスの入門書としてこの書籍を紹介したいと思います。

アベノミクスの真実

著者の本田悦朗氏は現在、内閣官房参与であり、かつ内閣官房参与となる前から安倍総理の経済のブレインとして安倍総理と頻繁に経済について議論を交わしていた人物です。

理論と実際の差異はあるでしょうし、経済理論、金融理論、それぞれの学説の立場から言えば内容に賛否あるものでしょうが、アベノミクスがどういった考えに基づいて安倍内閣が実行しているのかを知るには適した良書であると思います。

本著が書かれたのは2013年4月、第二次安倍政権の初期で、まだまだアベノミクスの成果も出ていない頃でした。

それから一年余り、冒頭の菅義偉・内閣官房長官の講演の中で、アベノミクスの成果について述べられています。


 

  • GDP:前政権では2四半期マイナス→安倍政権になってから6四半期プラス
  • 有効求人倍率:0.8から1.09までに回復。22年ぶりの高水準。企業
  • 収益:北海道から九州・沖縄に至るまで7年ぶりに日本全国7地域で増益。
  • 景況感:中小企業において製造業は6年ぶり、そして非製造業に至っては21年10ヶ月ぶりに景況感がプラス。
  • 公的年金の運用益:政権交代後、23兆円。
  • 賃上げ:2%超え。15年ぶり。

内閣府や自民党も分かりやすく成果を解説しています。


内閣府資料:これまでのアベノミクスの 成果について


自民党サイト:数字で見るアベノミクスの成果より

数字で見るアベノミクスの成果


実際、商社で働く私の周りでも国内市況の活況(逆にそのために汎用品は単価が上がり輸出での価格競争は厳しいですが、円安により収益は確保)のみならず、働き始めてこの方聞いたことのないベアや、特別ボーナスといった実際の労働者の賃金上昇にまで及んで来ています。

『アベノミクスの真実』著者の本田悦朗氏の言葉を借りれば、15年近く続いてきたデフレの中で、経済縮小に留まらず、近隣諸国の脅威に脅かされるまでになってしまった日本。

ハーバード大学の故サミュエル・ハンチントン教授の言うような日本一国で一文明を成立させる独自な国である日本、その日本に活力と誇りを取り戻す歩みを少しずつでも歩めているのではないでしょうか。

今後、この流れを保つために、第三の矢、成長戦略を実行し続けていかねばなりません。TPP、農業改革、電力改革、エネルギー戦略など、一筋縄にはいかないものばかりです。舵取りを少し誤れば、政権の命取りになりかねないほど、政治的問題をはらんでいます。

今後の日本経済再生のためには、私たちが安倍政権が誤った方向に暴走することを止めるよう監視しつつも、「日本に活力を取り戻す」という大きな方向を常に意識することが必要になってくるでしょう。

政策実行の際に直面するであろうあらゆる政治的問題に関して単純に批判するのではなく、「それではどう乗り越えれば良いのか」という態度で私たちも考えていくことに今後の成功の可否が掛かっていると思います。

私たちみんなが日本に誇りを持ち、一面的な批判でなく、真剣に全員が政治・経済を考え、日本の行末を決められることを願っています。

投稿者:

フルトリユウキ

商社で貿易営業として働く20代後半

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